占いの話
占いといえば、もうひとつ思い出す話がある。
夫と交際を始めて4ヶ月ほど経ったころ、中華街デートをした。
点心食べ放題のお店に行ってから中華街を散策し、相性占いをしてもらって足つぼマッサージにいこうというものだ。
そのプランを聞いたとき、正直「マジかよ…」と思った。
デートで相性占いだなんて、なんて恐ろしい橋を渡ろうとするんだろう。
もし、「相性最悪です」なんて言われたら、その後どんな顔をすればよいのか。
そんなことを考える私とは裏腹に、なぜか夫には「絶対相性がいい」という自信があったようだ。めっちゃポジティブな人だな。
中華街の母に手相をガッツリ見られ、「あなたは専業主婦むいてないわよ」等言われる。
肝心の相性はなかなか良かったようで一安心したが、母が執拗に「でもねえ、他に好きな人ができたら相性は変わるから」と繰り返すのが意味深であった。
そして、夫の手相をマジマジと見ながら、母が一言「…あなた、お仕事は?」。
夫が、正直に「自衛官」と答えあぐねている間に母が続ける。
「あなたね、体を動かす仕事は向いてないわよ」
私も夫も絶句した。
体を動かす仕事って。自衛官じゃん。ピンポイントじゃん。
しかも、入隊したてのペーペーならまだしも、夫は赤いきつねをもらっている10年選手である。
今更むいてないとか…言われても…
このように、初対面の占い師にこれまでのキャリアをばっさり斬られた夫ではあったが、相変わらず自衛隊は好きだし自衛官の自分に誇りを持っている。
それが証拠に、新婚旅行の時、英語で書く税関申告書の職業欄に「soldier」と書こうとしていた。
soldier(兵士)てアンタ…間違いではないのかもしれないけど何かが違う…
ひとまず、夫には今後とも仕事に邁進していただきたい所存である。