陸自妻的官舎ノ日々

特に役にもたたない自衛隊や官舎の話をつらつら綴っています。

そうだ、国旗あげよう。

近頃は、祝日に国旗を飾る家が減ったように思う。

それと同時に、祝日を「旗日」と呼ぶのも死語になりつつあるのではないだろうか。

私の実家は祖父の代に建てた一戸建てで、いちおう物置に国旗はあったけれど飾っているのを見たことはない。

 

自衛隊官舎だけなのか、公務員宿舎全般なのかは知らないけれど、官舎にはもちろん国旗がある。

棟の備品として当番に申し送られ、祝日には官舎の外壁にある掲揚台に飾るきまりになっている。

だから、それぞれの家庭で旗を持っている必要はないのだけれど、我が家にはなぜか国旗がある。

引っ越しの時、夫の荷物から見つけたのだ。

しっかりした持ち手のついた、立派な日の丸である。

聞けば、以前の職場の先輩が引っ越すときにもらったのだという。

「飾ったことあるの?」と夫に聞くと「ない」。そりゃそうだろうな。

「官舎に入ったら自宅に国旗は必要ないんだから、捨てようよ」と進言したら罵られた。

 

「国旗を捨てるなんて!この罰当たり!非国民!!」

 

夫の言い分も、まぁわかる。

私だって日の丸を不燃ごみの日に出すのは抵抗がある。

というか、元の持ち主である先輩もそうだったから夫に押し付けたのでは…

 

結局、捨てられないまま引っ越し先に持ってきた。

しかし納戸の奥に入れっぱなしで一度も日の目を見たことはない。

できれば使ってもらえる人に譲りたい。

 

最近、Facebookを見ると、同年代の友人の「子供が生まれました」とか「家を買いました」という投稿が目立つ。

我が家はまだまだ引っ越しが続くから家を買うことはないけれど、そういう年齢なのだなぁと実感する。

その中に一人でも国旗が欲しい人はいないものか。いれば喜んで進呈するのだけれど。

虫は美食家

先日、夫が職場からとうもろこしを持ち帰ってきた。
同僚の方が家庭菜園で作ったものだという。
外側の皮を剥いてみると、一部虫に食われていた。
でも、収穫から茹でるまで数日間あいていたにも関わらず、とても甘くて美味しいとうもろこしだった。
とうもろこしは収穫した瞬間からどんどん甘味が落ちるというから、もぎたてはさぞや美味しかったのだろう。
虫が食べるということは、無農薬で美味しい証だとうちの夫は信じている。

自然界の生き物は、一番美味しいところを知っている。

そう思うたび、脳裏に甦るひとつの出来事がある。

あれは、夫と結婚した年の9月だった。
プロポーズされて、三連休を利用して夫の実家へ挨拶に行き、夫の一人暮らしの家へ帰って来た日。
ふと、台所に置きっぱなしにされている米袋が目についた。
「ねぇ、あれじゃお米に虫がつかない?米びつ使わないの?」と言うと、夫は「ちゃんと口を閉めているから大丈夫」と答えた。
確かにそういうやりとりがあった。

その後、夫が買い物に行く間私が夕飯を作ることになったのだが、米袋から計量カップで米を掬い出し、ふと気づいた。

米が…動いてる…?

違う。
米の隙間で白く小さいイモムシのような虫が無数に蠢いているのだ。そして先ほどその米の中に手を突っ込んだと気付き、一瞬で背筋がゾワッとした。

嘘つき!ガッツリ虫湧いてるじゃん!!

ひとまず一食分のお米を洗って炊いてから、帰って来た夫にそう訴え、残りの米はどうするのか問うた。
米袋には、あと数キロ分ほど残っている。
30キロの米袋からすればわずかな量だが、捨てるには多い。
夫はこともなげに答えた。

「もちろん食べるよ」
「虫は?」
「取るよ」
「どうやって?」
「一緒に取ろう」
「はい!?」

その夜、米の選別作業が行われた。
透明なゴミ袋を切り開いてシートにして、夫がその上に米を少しずつ広げ、私が割り箸で虫を一匹一匹取り除いていく。
作業しながら、芥川龍之介の「鼻」という小説を思い出した。

「二人の初めての共同作業だね」

そんなこと言われてもまったく嬉しくない。
ケーキカットより先に虫ピックをすることになるとは。

そして無事選別されたお米を食べてみれば、いまいち美味しくない。
よくよく見ると、虫はお米の中心の一番美味しいところだけを食べていったらしい。
私たちは、虫の食べ残した部分を食べるはめになったということだ。

この一件を通じてわかったことがある。

虫がつくのは、無農薬で美味しい証拠。
でも、虫に食われた後はいまいち美味しくないのだということ。

入籍して一緒に住むとき、私の家からは米びつを持っていった。
その米びつは、引っ越した今も使っている。

エアコンが壊れた話。

数週間前の出来事になるけれど、突如我が家のエアコンが壊れた。

突如、とは言ったけれど、確かに予兆はあった。

「最近、なんかエアコンの効きが悪い気がする~」などと言いつつ、1週間くらいは自分を騙しながら使っていた。

けれど、ついに「効きが悪い気がする」ではなく「効いていない」という確信に変わり、近所の電機屋さんに来てもらうことになった。

当初はガス漏れだろうと暢気に構えていたのだが、残念ながら買い替えの運びとなったのであった。

 

不幸中の幸いは、電話した電機屋さんの社長が直々に来てくださり、この社長がとてもいい人であったことだった。

「買い替えるなら三菱がいいですよ。ちょっと高いけど部品も全部国産だから」という社長のアドバイスをもとにその場でエアコンを選ぶことになったのだが、いかんせん真夏。

在庫があるかどうかもわからず、取り付けの予約もピークを迎える頃だ。

7月に取り寄せようとしたら取り付けは8月下旬、なんて話を聞いたこともある。

 

果たして、三菱のエアコンは奇跡的に一台だけ在庫があった。

それを「定価ではとても買えない値段」から「大変お買い得価格」にまで値下げしてくださり、三日後に取り付けすることになった。

それまでは、窓を開け放して2台のサーキュレーターをフル稼働させて凌いだのだが、これがかなりきつかった。

じっとしているだけで汗が噴き出し、水分を補給すればするほど汗になっていく。

でも、水分を補給しなければ多分死ぬ。

3日間で何リットルのお茶を飲んだだろう…。

 

迎えたエアコン取り付けの日も、よく晴れた暑い日だった。

社長が汗だくで作業しながら「いや~でも、この家はまだ風が通るからいいですよ」と言った。

新築の家は気密性が高く、エアコンが壊れた夏場は本当にサウナのようになるのだという。

それってつまり、官舎はすきま風が吹くってことだよね…?

以前もブログで「冬場の官舎は泣きたいくらい寒い」と書いたことがあったけれど、今回はそのすきま風に救われたということか。

 

ところで最近知ったのだけれど、エアコンは一度取り付けたらあまり動かさないほうがいいらしい。(結婚する前に住んでいた民間の賃貸が全部エアコン付きの物件だったのはそういうこと?)

今回壊れたエアコンは、標準耐久年数10年と書いてあったのに、5年しか持たなかった。

5年の間に3回も居を変えたのが悪かったのだろうか。

でも、エアコンとともに転属するのは自衛官の定めだしなあ…

新しく買ったお高いエアコンも、おそらく同じくらい引っ越しをすると思われる。

5年で壊れたらかなりショックだ。

 

そして、引っ越しの時のエアコン取り付けは、絶対に専門業者に頼んだ方がいいと社長にアドバイスをもらった。

引っ越しのプランによく「洗濯機・エアコン取り付け込み」というパックがあるけれど、ああいうのは短時間で作業しなければならないため、作業工程が省かれてしまいがちなのだという。(確かに、社長の取り付けはとても丁寧だった…)

やっぱり、餅は餅屋。電機のことは電機屋さんにお願いするのが一番ということか。

 

今回、思いがけないエアコンの出費は痛かったけれど、家電に関する心強い味方ができたのは良かった。

最近、しばしば冷蔵庫が怪しげな音を立てることがあるので、近々また社長のお世話になる日が来るかもしれない。

けれど、お願いだから冬までは待ってくれと冷蔵庫に語りかけずにいられない私たち夫婦なのであった。

空飛ぶ広報室が、好きだ!!

タイトルまんまの話です。

 

2013年のドラマにも関わらず、自衛官妻・彼女界隈ではいまだ衰えぬ人気を誇る、それが「空飛ぶ広報室」。

例に漏れず私も大好きです。

Twitterでは何度も言っているのだけれど、自衛隊がらみを抜きにしてもお仕事ドラマとしてとても良質だと思う。

やりたい仕事ができない中、どうやってやりがいを見つけるのか。(リカと空井)

女の働き方は「女を武器にする」か「女を捨てる」しかないのか。(柚木さんやリカ)

仕事と家庭、どちらを重視するのか。(仕事中で妻の死に目に会えなかった鷺坂室長と、妻の要望で現場を離れる決意をする阿久津さん)

こういうエピソードが、自衛隊という舞台装置を使うことで味わい深くなっている。

そのほか、後進育成のために幹部にならない比嘉さんや、やる気のない新人だったのがだんだん一人前になっていく佐藤珠輝など、二項対立的に描かれていることも多くて、そういうものに気づきながら観るのもとても楽しい。(鷺坂室長と阿久津さんも、正反対タイプの上司だしね)

今回は、久々に全話見返して、リアルタイムで視聴していた時には気づかなかったことを備忘録的にまとめてみた。

 

①空井の全力疾走

多分、ドラマの中で空井が全力疾走するのは3回。

・1話…入間基地で、ヘルメットをロケ現場に届けるとき。急がなければいけないのに思うように走れない姿が、事故に遭った空井の境遇を際立たせていた。

・9話…自衛隊の悪口を言う報道局の人にリカが啖呵をきる映像を、一人夜の広報室で見た後。思わず庁舎を飛び出すが、途中で足が痛んで走れなくなる。二人の物理的な遠さと、捕まえたいものを捕まえられない空井のもどかしさが強調される。

・11話(最終話)…松島基地で、空井がリカに告白する決意を固めた後。ここでは一度も足がもつれることなく、リカのところまで走っていける。月日の経過を感じさせるとともに、リカのところまで走っていけたのは、リカも空井に向かって走ってきてくれたからという効果ももたせている…?

 

②リカの画づくり

1話で、情報局に異動したてのリカが「街角グルメ」のロケで、カメラアングルをビル群から唐揚げ屋さんにパンしようとしたのを坂手さんにバッサリ斬られるが、最終話では同じ指示(スカイツリーからおせんべい屋さんまでパン)を坂手さんが「まぁ、この場合はそうだろうな」と受け入れている。

たぶんリカの意図は同じなんだろうけど、効果的な見せ方なのかどうか、ちゃんと取捨選択できるようになったということなんだろう。

また、仕事ぶりは大きく変わったリカだけど、「情報番組でも社会的な視点を届けたい」という想いは変わっていないということ。

 

③やっぱりリカは絵が下手

8話でリカが作るてるてる坊主の顔と、最終話でリカが配るビラに描いてあるウサギの顔が同じ。

珠輝に「もうちょっと可愛く…」と言われていたように、絶妙にブサイクである。

これはリアルタイム視聴では全然気づかなかった。

 

 

私は基本的に原作至上主義なので、実写化してよかった~と思う作品は少ないのだけれど、これは珍しく原作より実写化の印象が強いです。

余談だけど「ヘルタースケルター」を見た後に「空飛ぶ広報室」を見たら、綾野剛のさわやか変化っぷりにびっくりしました。

卒業の季節に思うこと

この三連休、昨日は防大の、一昨日は高等工科学校の卒業式だったらしい。

高等工科学校というと、思い出すことがある。
今年のお正月は松の内を過ぎた頃だった。
東京に行く用事があり、飛行機に乗るため空港へ行くと、保安検査場の入り口で工科学校の生徒と一緒になった。
たぶん、お正月休暇が終わって学校に帰るところだったのだろう。
制服の襟についた学年章は一年生で、顔立ちもあどけない。
お土産の紙袋を持ったその男の子は、保安検査場に入るまで、見送りに来ていた家族を何度も振り返っていた。

15、6歳で親元を離れた身で、年に数回の貴重な帰省を終えて、学校へ戻っていくのはどんなに寂しいことだろうと思う。
あの彼も、もうすぐ2年生になるはず。
これからも訓練やら勉強やら忙しい日々になると思うけれど、実りある学校生活を送って卒業してくれるといい。

そんな、名前も知らない少年に思いを馳せるのでありました。
高校野球じゃないけど、若い子が頑張る姿って応援したくなるよね。
高等工科学校の卒業式は毎年感動するので、YouTubeで見ております。
足並み揃った卒業証書授与や、(音程はないけれど)全力で歌う仰げば尊しは圧巻です。

宴会の話

自衛隊の宴会場所は、主に三種類ある。
①ホテル
②居酒屋
③隊員クラブ である。

ホテルは、中隊の送別会とか、偉い人の退官パーティーとか、教育隊なら学生の卒業パーティーなどで使う。
たぶん、どこの駐屯地がある町でも、自衛隊御用達の宴会用ホテルがあるのではないだろうか。
ドレスコードがあることもあるので、「宴会」というより「パーティー」というイメージが強い。
宴会と言いながら半分仕事みたいなものだ。

③の隊員クラブとは、駐屯地の中にある居酒屋のことだ。
もっと具体的に言うと、はなの舞である。
隊員クラブで宴会の時は、仕事から直行するので戦闘服のまま飲むことになる。

妻的に、一番有り難いのはホテルでの宴会である。
難点は会費が高いことだが、進行役がキッチリ置かれるので、カッキリ2時間で帰ってくる。
送迎バスが出るので、宴会後も会場でダラダラ、なんてこともない。

逆に、一番嫌なのが隊員クラブでの飲み会だ。
こちらは、ホテルとは真逆でいつまでもダラダラ飲んでいる。
18時から宴会スタートのくせに、帰ってくるのが23時過ぎなんてこともザラである。
23時なんて、消灯時間ではないか。
店員さんに迷惑がられているのではないか。

…なんて思っていたら、ひょんな事から、最近まで隊員クラブでバイトしていたという人と知り合った。
自衛官、いつまでもダラダラ飲んでるでしょう」というと、その人は「そうなんです!」と語りだした。
なんでも、ギリギリまで居座って点呼の直前にバタバタと帰っていくため、お会計や片付けが一気に立て込んで大変らしい。
また、強者になると当直が見回りに来ても飲んでいるとか。

わかるよ、わかるよ、迷惑だよね。
妻もなかなか夫が帰って来なくてイライラしているのよ。
そういう時はどんどん追い出してくれていいからね。
…というと、彼女は笑って「でも、自衛官の人たちがいっぱいお金落としてくれるので、うちの店が地区で売上ナンバーワンになって、店長に金一封が出たんです」と言った。
なるほど、そういうこともあるのか。

ちなみに営外の居酒屋でも、御用達のところだと2時間の飲み放題を粘って3時間居座ったりしているらしい。
そのうち出禁になるのでは…?

夫の宴会エピソードで一番好きなのは、ホテルでの宴会で、最初の25分間、琵琶の生演奏つきで平家物語を聞かされた(しかも立食パーティー)というものである。
夫は(自称)インテリ派なので「琵琶すごかった!」と感激していたが、同僚は立ったまま寝ていたらしい。
「宴会で平家物語」も、それを「立ったまま寝る」のも、どっちも好きなエピソードだ。

概ね右へならえ

最近、我が家でお気に入りのフレーズがある。

それは、「概ね右」。
正式には「概ね右に入れるを可とす」であり、二者択一を迫られる場面で使う。

このフレーズ、元ネタは何かというと、旧軍における服装の統制である。
しかも、パンツの中のチ○ポジの話である。

旧軍の支給品が越中褌からパンツ(トランクスみたいな感じ?)に変わったときに言われたことらしい。
しかし、何かにつけて統制統制とうるさい軍隊(自衛隊もだけど)において、《概ね》右を《可とす》というのは、とてもふわっとした表現なのでは?と思った。
そのことを夫に伝えると「つまり、どっちでもいいけど迷ったら右に入れとけ」ということらしい。
女の身ではいまいち実感しにくいけれど。

しかし、このフレーズ、出典が定かでない。
それどころか、ネットで「旧軍 トランクス」や、「旧軍 チ○ポジ」などの言葉で検索しても、まったくヒットしないのである。

夫に聞く前から、「旧軍ではチ○ポジも統制されていた」という話を聞いたことがあるような気もしたけれど、それが右だったか左だったかはわからない。
これだけネットであらゆる情報が網羅できる時代に、こんなに調べてもヒットしないってことは、夫が勝手に言っているだけでは…?という疑念さえわいてくる。
だれか、正しい情報を知っていたら教えて欲しいくらいである。
それによっては、我が家の選択肢が「概ね左」になるかもしれない。

フト思ったけれど「概ね右」なのはチ○ポジではなく夫の思想では…?
なんてね。